中小企業診断士になり、この度、1次試験の監督補助をすることになりました。
2024年8月3日、4日の二日間、監督員を経験させていただいたことで、1次試験の舞台裏を経験しました。
HiroPaPaは、何度も1次試験を受けましたので、1次試験の勉強方法や試験当日の準備などは熟知していると自負しておりましたが、試験運用側目線に立つことでいろんな事が分かりましたので、その内容をシェアします。
試験対策にはなりませんが、受験生の皆様にもお伝えしておくべきことが、たくさんありました。
1次試験を支える裏方の人たちは、どんな人たちなのか?
どのような思いで試験を運用しているのか?
そのあたりをお伝えすることにします。
この記事を読んだ後、試験当日の心づもりや答案の回答方法が変わるかもしれません。
中小企業診断士1次試験にチャレンジする方は、ぜひ、最後まで読んでいただくことをおすすめします。
それでは、いきましょう。
1次試験の運用者
1次試験の運用者は落札できまります
1次試験は、中小企業庁が一般競争入札で委託業者を決めます。
ですので、落札業者が中小企業診断士1次試験の運用を行うのです。
ここ数年は、一般社団法人中小企業診断士協会が受託しており、南は沖縄から北海道までの全国の会場での試験の運営を行っています。
昔は、一般企業が落札、運用したこともあったようで、学生アルバイトが試験監督をしていたこともあったようです。
勝手知ったる中小企業診断士協会が運営してくれた方が安心感が違いますよね。
運営者の役割分担
中小企業診断士の1次試験は全国10会場(札幌、仙台、東京、名古屋、金沢、大阪(神戸)、広島、愛媛、福岡、那覇で行われます。
中小企業診断士協会は、各都道府県に支部がありますので、各都道府県の診断士協会会員が集められて試験の運営にあたります。
当日は、ざっくりいうと、会場設営チーム、試験監督チーム、試験問題管理チームの3つに分かれて運営が行われます。
チーム | 役割 | 備考 |
会場運営チーム |
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7:30集合で長時間拘束される人たちです。 |
試験監督チーム |
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初日8:00、二日目8:30集合で試験終了後解散です。 ただし、監督者と補助者がおり、監督者は試験問題管理チームのチェックが終わるまで帰れません。 |
試験問題管理チーム |
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マークミスなどをチェックしてくれますので、おそらく、受験番号のマークミスくらいなら救済措置がとられるはずです。 |
HiroPaPaは試験監督の補助者の経験しかありませんが、当日、試験会場に皆が集まって運営しているので、だいたいどのチームが何をやっているかは理解できました。
一番驚いたのは、試験問題は厳重に管理されていて、マークシート回収後にマークミスのチェックを目視チェックしていることでした。
試験監督員も、マークシートのミスや誤記はチェックする役割がありますが、回収後までチェックしているといことは、受験生は知らないことです。
問題のマークミスはどうしようもありませんが、受験番号のマークミスくらいなら、運営側で正しい番号がわかりますので、救済措置がとれてる可能性が高いです。
これは、受験生にとってはありがたいことですね。
試験監督員の当日のミッション
枠割は上記に書いたとおりなのですが、もう少し詳しく述べます。
事前にマニュアルが配布されていて、試験監督員の正副相手の名前もわかっています。
マニュアルは50ページ近くもあり、当日のやるべきことと注意事項が細かく記載されています。
当日想定されるトラブルについても事前に想定問答集がたくさん記載されており、事前に読んでおく必要があります。
試験監督員の当日のスケジュール
初日は、会場の設営があるため8時に試験監督員控室に集合します。
監督員は正副の2名で、約70人程度の受験生に問題とマークシートを配布します。
会場によって誤差はあると思いますが、短時間で配布、回収する必要があるので、どの会場でも同じ状況だと思います。
会場の設営というのは、試験目に会場入りして、割り当てられた受験生の席数が計画通り準備されているかの確認です。
事前に、会場の座席図が準備されているので、そのとおりに机と椅子が準備されているかを確認するわけです。
その後、準備が整えば、受験番号のシールを張る作業を行います。
そして、いったん、控室に戻り、試験員全体に注意事項等が周知されます。
試験開始20分前になると、問題とマークシートを持ち、会場へ向かいます。
枚数確認を行い、マークシート、問題の順番で配布を行い、試験開始を待ちます。
試験開始後は、15分に一回程度の見回りを行います。
試験終了後は、速やかにマークシートを回収し、枚数とマークミスなどをチェックし、試験問題管理チームへ引き継ぎます。
これを、初日は4時限の運営管理まで、二日目は3時限の中小企業経営・中小企業政策まで繰り返すわけです。
試験監督員は何をみているのか?
HiroPaPaが受験生だったとき、試験監督員のことなんでまったく気にもとめていませんでした。
おそらく、皆さんも同じではないでしょうか?
強いて言えば、「この人たち、診断士なんだろうなー、合格してるなんて羨ましい~。」くらいに思っていたくらいです。
そんな受験生の皆さんに、試験監督員が試験中に何をしているのかをお伝えしておきます。
それは、一言でいうと、退場者を出さないことに注意を払っています。
もちろん、不正を発見するとい役目もあるのですが、一番気を使っているのはそこではないのです。
まず、マークシートや問題を配布する前に、受験生の皆さんが、ぎりぎりまで参考書やまとめシートに目を通しているときに、皆さんの時計を見ています。
アップルウォッチを身に着けていないかを見ています。
最近、アップルウォッチっぽい時計もたくさんありますので、っぽいものも含めて、身に着けていたり、机の上に出されいると、通信機能の有無をチェックします。
その後、試験開始までに、机の上に不要なものが置かれていないかをチェックしています。
つまり、決められたもの以外の怪しいものが机の上に無い状態であることに細心の注意を払っています。
なぜかというと、退場者を出したくないからです。
HiroPaPaもそうですが、監督員も試験経験者なので、1次試験の試験勉強の辛さはよくわかってますし、1年に1回の試験への重要さや意気込みも十分に理解しています。
なので、そんな気持ちで監督員をしている人がほとんどだと思います。
そこで、試験開始後に机の上にあると一発レッドカードで退場になるものをお伝えしておきます。
- 書籍
- スマホ
- 電卓
- イヤホン
これらが、机の上にあると、不正行為扱いとなり、即退場!!となります。
さらに、全科目の受験が無効となってしまいますので、くれぐれも、注意してください。
2次試験と間違えて、電卓を机の上に置かれているかたが時々おられます。
試験監督員が注意してくれればよいのですが、監督員の中には気の利かない方もおられるかもしれないので、よくよく、頭に入れておかれることをお勧めします。
うっかりで、1年間を棒に振ってしまっては、泣くに泣けませんからね。
さて、今回は、中小企業診断士1次試験の監督員の経験談を記事にしてみました。
受験生の皆さん、診断士は諦めなければ必ず合格できる資格ですので、頑張ってください!