子育ては楽しくもあり、難しくもあります。
何が難しいのかを考えてみると、自分の経験則が現在の環境に合致しないことが多いからではないでしょうか?
今の教えは、HiroPaPaがこどもの時と真逆だ!
なんてこともあります。
そんな状況だと、自分の教えに自身が持てないわけです。
そんな折、悩みの一端を解決してくれる教えに出会えました。
それは、奈良女子大学の名誉教授である浜田寿美男先生の講演でした。
講演のテーマは、「思春期のこどもとどう向き合うか?」でしたが、今と昔のギャップに焦点を当てた内容でした。
本講演で、非常に興味深かったところをピックアップしております。
HiroPaPaのバイアスが入っているところもあるかもしれませんが、備忘録的に記事にしておりますので、ご容赦を。
同じように、「今は昔と違うよなぁ~、、、」なんて、感じている子育て中のPaPa&MaMaは、合点がいくことも多うので、一読いただくとよいかと。
昔のこどもは、労働力としてあてにされていた。
こどもは、よく半人前と言われていた。
昔のこどもは、労働力としてあてにされていた。
自分の力を使ってこどもが家族や地域の中で活躍するというシーンが少なくなった。
つまり、自分の力を使うことで、周囲が喜んでくれるという体験が否応なくあった。
こどもは守られっぱなしではいけない。
自尊感情を伸ばすために必要なのは、褒める教育ではない。
褒めるというのは、上から目線の言葉。
こどもの自尊感情を伸ばすために必要なのは、親や周囲が喜ぶことである。
【現代とのギャップ】
- 畑を耕す労働力として、こどもの力が必要だった
- 幼いこどもの面倒を見るのは、こどもの役割だった
こどもの自尊感情を伸ばすためにおすすめなのは、お手伝いをさせること。
【おすすめのお手伝い】
- 料理のお手伝い(洗い物や配膳といった料理で面白くないところではない)
- 全てを任せてみる(レシピを考えたり盛り付けを工夫したり)
料理のお手伝いなど、レシピを考えたり盛り付けを工夫したり、自分の力でできることをさせる。
こどもが出来ないことを大人が手伝う。
自分が作ったものを周りの大人が、「美味しい」と言って食べてくれるという体験をあたりまえのように味わえる。
こういった周囲が自分に感謝してくれるといった体験を通じて自尊心が高まるのである。
力を身につけるということは、将来のためではない。
現在は、進学のために学力を身につけることばかりを要求される。
学力は確かに大切だが、力は将来使うためではなく、今、使えることに意味がある。
力をつけるということは、その力を使った世界が見えてくる。
今までとは違う世界を体験できる喜びを得られることで、再び学びたいと思うようになる。
大学に入るためだけに学力を身につけるというのは寂しい。
【能力を身につけると世界が広がる】
- 歩行能力をみにつけると、自分の力で移動できる世界
- 文字の読み書きができると、看板や本の意味が理解できる
大人は文字の読み書きができない世界を忘れてしまっている。
ハングル語が理解できない人が韓国旅行をしているシーンを想像してみるとよい。
壁には、「自然の壁」と「人の壁」がある。
人生でぶつかる壁には大きく二つある。
人の力ではどうしようもない「自然の壁」。
何かをしようとした時に、誰かがさせてくれない「人の壁」。
「自然の壁」にぶつかると、人は悲しみの感情を抱く。
「人の壁」にぶつかると、人は怒りの感情を抱く。
今は、物質的に困ることが少なくなった。
【現代とのギャップ】
- 自然の脅威に遭遇することが普通にあった
- 経済的理由で物が買えない(現代は我慢を教えるために買わない)
今のこどもは、人間の壁にぶつかってばかりで、自然の壁からどんどん遠ざかっている。
家の中でも学校でも、人間の壁にぶつかるため、悲しみより怒りの感情が全面に出ている。
自分の力ではどうしようもない、「自然の壁」にぶつかる体験が、次への能力向上の駆動力になり、自分の力を使って生きることにつながるのだ。
今流行の「発達」とはどういうことを言うのか?
今、私達は体に備わっている手持ちの力で生きている。
明日備わる力で生きることはできない。
出来ないことを認めて、今ある力でなんとかしようとする。
手持ち力を最大限活かして生きていく結果、明日、新しい力が身につく。
発達とはそういうこと。
勉強も同じ、今、一生懸命勉強した結果、新しい能力が身につく。
そういった当たり前のことを忘れ、力を伸ばすことを先に持ってくるとおかしくなる。
能力は結果として手に入るという意識をおろそかにしてはいけない。
【昔話「雀のお宿」のメッセージ】
- 怪我をした雀に親切にした結果、宝物がもらえた
- 宝物を目的に雀に親切にした結果、お化けに見舞われる
一夜漬けで試験対策のために覚えた知識は、試験が終わると忘れてしまう。
将来のためとしてやる今の勉強方法は、こどもの人としてのあり方を損なってしまっている。
発達!発達!と能力を伸ばすことに注力している今の時代は、子育てを難しくしている。
こども達が自分がやったことで親が喜べるような場面がどれだけ作れるか?
これが子育ての基本である。