今、一番入りにくいと言われている大人気の大学がある。
それは、ミネルバ大学というアメリカにある4年制大学です。
本記事では、この超難関大学と言われるミネルバ大学とやらについて、ざっくりと次の3点をキューレートします。
「人気の秘密は何?」
「いくらかかるの?」
「どうやったら入れるの?」
落合陽一さんの本など、最近、よく目にします。
気になる方は、ぜひ御覧ください。
ミネルバ大学の人気の秘密は何か?
まずは、Wikiから引用です。
ミネルバ大学(Minerva Schools at KGI)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本部を置く総合私立大学。実験的高等教育機関であるミネルバ・プロジェクトが、Keck Graduate Institute(KGI)をパートナーとして2014年9月に開校された。全寮制の4年制総合大学だが、特定のキャンパスを保有していないことが特徴で、学生は4年間で世界7都市に移り住みながら、オンラインで授業を受講する。プロジェクト名の「ミネルバ」とは、ローマ神話の知恵の女神を意味する。
世界7都市に移り住みながら、オンライン授業するというのが特徴ですね。
キャンパスも研究施設も無いというのも特徴です。
上記の説明を見て気になるところが、「ミネルバ・プロジェクト」と「KGI」です。
もう少し調べてみましょう。
ミネルバ・プロジェクトとは何でしょうね?
ミネルバ・プロジェクトって何ですか?
ミネルバ・プロジェクトは、米国の著名起業家だったベン・ネルソン氏が「既存の大学のあり方を刷新する」ことを目的として2012年に設立した。
とあります。
この、ネルソン氏の両親は2人とも科学者でサラブレット家系の生まれで、ペンシルバニア大学卒です。
そんなネルソン氏は、大学のあり方について、「単なる講義を受ける場ではなく、世界を主導するリーダーを教育する場である」と述べています。
ミネルバ・プロジェクトの思想がミネルバ大学設立につながるわけです。
KGIって何ですか?
KGI(ケック大学院大学)は、カリフォルニア州にある私立大学院で、1997年にヘンリーリッグスによって設立された。
とあります(wikiより)。
KGIには、キャンパスもあります。
応用生命科学部、薬科大学、医学部の3つの学校で構成されているようです。
ミネルバ・プロジェクトがKGIと連携する必要があった理由は、4年制大学の体をとるためでしょうか?
KGIとパートナーシップを提携することで、1期生の卒業を待たずしてWASCによる大学機関の認可を取得できたようですね。
このあたり、もう少し詳しく調べる必要がありそうです。
人気の秘密は何ですか?
『世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ』(ダイヤモンド社)からの引用です。
ミネルバ大学のカリキュラムや教授法を設計したコスリン教授は、心理学、脳科学、認知科学の分野における長年の研究から、
人が最も効率よく学習できるのは以下の3つの条件が揃った時だと主張する。
①脳を通常より負荷をかけた状態で稼働させる
②繰り返し練習が行える環境で学ぶ
③能動的に授業に参加できる状態
このあたりを見ると、効果的な学習方法にコミットしてそうです。
また、ネルソン氏は、以下のように考えています。
「将来、世界的なリーダーとなる人材や、世界的な主要機関を作ったり、運営したりできるポテンシャルを持つ人材に対して、一般的な大学生活経験の代わりに最高の教育環境と、世界を旅する経験を与えたい」
世界を旅する経験がグローバル人を育てるということらしい。
つぎに、ミネルバ大学のホームページを見てみましょう。
ホームーページによると学部プログラムの柱をつぎの3つで表してます。
「挑戦的なカリキュラム」、「グローバルエクスペリエンス」、「キャリア開発」
入学した生徒は、
1年目に、アメリカ・サンフランシスコ
2年目に、ドイツ・ベルリンまたはアルゼンチン・ブエノスアイレス
3年目は、韓国・ソウルまたはインド・バンガロール
4年目に、トルコ・イスタンブールまたはイギリス・ロンドン
と、世界各地の学生寮で学生生活を送ります。
グローバルキャリア人材を育てるには、キャンパスで講義を聞いたり、議論をするだけでは不十分ということね。
1クラス18人以下の小規模で、各都市の学寮とアメリカの大学本部にいる教師を結び、同時双方向型の授業が毎日のように繰り返されるという。
現地で生活し、社会と密接に関わりながら、寮やオンライン授業で議論を重ね、地域の課題解決に取り組むというのが、実践型で効果的な学習である。
そういうことなのでしょう。
また、授業が原則オンラインの少人数制で行われます。
「ミネルバ・フォーラム」というもので、授業中の学生の発現量が色で可視化されたり、独自のオンラインプラットフォームが使われているとのこと。
また、授業内のアウトプットが成績に直結するため、緊張感のある授業となる。
先生がファシリテートするのだが、録画を元に毎回学生にフィードバックがある。
といったような、なんとも気の抜けない授業のようだ。
4年間のカリキュラムは次のとおり。
1年目は学生の基礎となる以下の能力を学習。
- 分析(複雑な課題を解決する統計、論理、意思決定判断、シミュレーションなど)
- 複雑系(相互作用、複数の因果関係、コミニュケーションなど)
- 実証分析(問題を効果的に組み立て、仮説、検証など)
- 修辞学(多様なコミュニケーション方法を探る)
2年目に自分の専攻を決定し、「批判的思考」にちなんだ学習や研究を行う。
3年目は在学中のコアとなるプロジェクトを開始し、「創造性」を育む。
最終年となる4年目、これまで学んできた専攻学科と、進めてきたプロジェクトを完了させ、「効果的なコミュニケーション」「効果的な相互交流」の能力にフォーカスするとのことです。
実際の授業を見てみたいですね。
いくらかかるの?
で、ぶっちゃけいくらかかるの?
授業料が年間1万3000ドル。
米国の有力私立大(ハーバードなら4万6000ドル)より格段に安いのだが、それでも、日本の私立大と同じくらいの費用になります。
寮費等を含めると2万3000〜2万5000ドル(約250〜270万円/年)になります。(1ドル=110円で換算)
ミネルバ大学の財務支援制度として、入学審査時に一切の優先枠を設けずに、合格者全員に経済的事情に応じた返済不要の奨学金制度を設けているようです。
なんとか公立でお願いしますmOm。
なんて願っている我が家のような家庭からすると、
まあまあ、お金かかるなぁ。
ってとこですよね・・・。
どうやったら入れるの?
ミネルバ大学は、入試、授業、日頃の会話も全て英語を使います。
2019年9月現在、生徒数は600人程度で、日本人も数名在籍しています。
ミネルバ大学の審査方法は、全てオンラインで3つのプロセス(Who You Are、How You Think、What you have achieved)で行われます。
第1審査 Who You Are?
全ての出願はWho You Are(あなたは何者か?)から始まります。
出願生は、ミネルバ大学のホームページへ行き、まずこのWho You Areで名前、メールアドレスや、学校の成績や学歴などの基本情報を自己申告で記入し、「出願用アカウント」を作ります。
このアカウントは1人1アカウントと決まっており、個人が複数のアカウントを使って受験することは固く禁じられています。
入学審査のチャンスは年に3回ありますが、出願が認められているのは各年度に一回だけです。
また、課外活動実績の概要を3つまで記入する必要があります。
この概要は、のちに編集することができます。
第2審査 How You Think?
第2審査はHow You Think(どのように思考するのか)です。
ここでは、出願生の考え方が問われます。
具体的には
- Creativity (創造性)
- 創造力を問う試験が出題されます。
事例では、ある物体の影やある単語が表示され、思いつく限りの用途を制限時間内に記入するというものがあります。
- 創造力を問う試験が出題されます。
- Mathematics (数学)
- 数学の5択問題です。計算系の問題は日本の高校生・大学生にとってはそれほど難しくないと思いますが、文章題では、何が問われているのか理解するように注意してください。Computer Adaptive Testで、正解する程、難易度が上がり、制限時間内に全問回答できない場合、ペネルティがあります。
- Understanding (理解力)
- 英文読解力の問題です。筆者の印象では、TOEFLのReadingに似ています。ただし、制限時間が短いので、細かく読んでいる余裕はありません。先に問題と選択肢を読んでから、文章を読むことが有効かもしれません。
- Reasoning (論理力)
- 記憶力と分析力の問題です。筆者の印象では公務員試験の判断・類推問題に近いような気もしました。別の人からはIQテストの問題に近いとの意見もありました。こちらもMath同様、正解すればするほど、難易度が上がります。
- Writing (表現力)
- 思考力と筆記力のテストです。制限時間が15分とTOEFLのWritingの半分なので、スピートが求められます。ある程度テンプレートを頭の中に用意して臨むことが望ましいでしょう。
- Expression (面接)
- 録画形式のインタビューです。短い質問に対して約20秒間の準備時間の後、約2分間で答える問題です。録音・録画形式なのでマイクに向かってしっかり話すこと、無駄なジェスチャーを入れないように気をつけてください。
これらの6つの設問には、全て約7分~20分程度の時間制限がついており、質問にはその場で答えなくてはいけません。
また、設問内の大まかな方向は共通していても、受験生によって質問の内容が異なるので本当の実力が試されます。
辞書や計算機は持ち込めませんが、メモを取ることは可能です。
第3審査 What you have achieved?
第3審査は、What You Have Achieved(何を成し遂げてきたか?)です。
ここでは出願生自身の過去4年間(中、高、高校卒業後)の功績(画像、動画、リンクなど形式は問われない)についてアピールします。
自身の成し遂げたことを簡潔に述べ、なぜその活動が注目に値するのか、簡潔に記入し、その証拠を提出します。
これはエッセイではありませんので、物語のように抑揚をつけてドラマティックにする必要は全くありません。
質問されている内容に、正確に簡潔にわかりやすく答えることがポイントです。
合格者の中には華々しい活動や賞を受賞している人も、そんな優秀な成績を収めていなくても、地域コミュニティに貢献していたり、芸術活動の実績で合格している人も数多くいます。
つまり、「自分が誇りに思えるもの」を語れるかが重要になるのです。
成績証とカウンセラー・レポートの提出
ここでは、学校の成績証明書とカウンセラーレポートを提出が必要です。
成績証明書は、英語版があれば望ましいですが、期限に間に合わなければ日本語版でも提出可能です。
年に3回ある審査のうち、11月と1月にある審査に関しては必ずしも、高校3年時の成績を提出する必要はありません。
合格後、入学までに高校3年間の成績証明書を提出する必要があります。
カウンセラーレポートに関しては、進路指導の先生から、成績を補填するもの(全国模試での優秀な成績など)があれば、ここでコメントしてもらった書類を提出することができます。
1年の入学者数は20人ほどで、学内ではオンライン授業を受けるため、最先端技術の学習環境が整っています。生徒たちはアメリカで最も選択的な学部課程プログラムにより、一般的な大学とはまるで異なる教育が受けられるようになっています。
1学年は、約120~200人で、合格率は2%らしいです。
さて、いかがだったでしょうか?
我が子が世界で活躍するためには。。。
ミネルバ大学を目指してみるというのも面白いかもしれませんね。
興味のある方は、学部生が運営しているミネルバ大学のフェイスブックグループ(Minerva Schools: Japan Community)などもありますのでそういったチャンネルから情報収集されてはいかがでしょうか?
コロナ禍で、日本でも、ミネルバ大学を参考にした面白いカリキュラムを採用する大学が出てきてもおかしくない。
そんな期待をしてしまいます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
でわでわ。