私たちは日々さまざまな問題に対し思考を働かせています。
この問題に対するアプローチの方法(思考回路)も、人それぞれ個性があります。
小学生の中高学年になると、すでにこの思考回路にも個性が表れているといいます。
運動が得意な子、読書が好きな子、話が上手な子、動物が好きな子・・・。
子どもにもいろんなタイプがいるように、
実は、先程の思考回路においても、
「スキャン、クリエイト、リバース、ノック、ステップ」
の5つのタイプに分かれるのだと。
では、我が子はどのタイプなのか?
その判別方法がFamily プレジデントに掲載されていました。
本記事では、それぞれのタイプの見分け方や算数の問題を例に思考事例を紹介します。
また、各々のタイプ別の特徴や強みの伸ばし方についても記載しておきます。
5つの思考回路診断クイズ!お子様はどのタイプ?
お子様のタイプをYES/NOクイズで診断してみましょう!
- Q1
- 推理小説や探偵モノのドラマが好き
スキャン回路タイプ
『問題文から答えに必要なことを見つけるのが得意!』
スキャン回路タイプの子は情報を整理して、必要な情報と不要な情報を見分けるのが得意。
算数の問題を解く際、問題文を読んで、何を答えるべきか、何が答えるためのポイントになるかを見つけるのが得意だ。
スキャン回路タイプの得意な問題
さくらちゃんはフルーツを買いに行きました。
持っているお金でできるだけ多くミカンを買った後、
あまったお金でリンゴを1個買いました。
ミカン1個とリンゴ1個では、どちらが高いですか?
上の問題では、この問題文に出てくる値段に関わるものが「ミカンの値段」「リンゴの値段」「ミカンをできるだけ多く買った後のあまったお金」の3つであることを読み取れる。
また、その3つの値段がどういう順番で高いのかに気がつけるはずだ。
この問題が解けない子は、問題文に書いてある状況を想像することができず、また問題文には具体的な数字も出てこないので、答えが出せないと考えてしまうだろう。
スキャン回路タイプの強みを更に伸ばすヒント
読書日記
読書で読解力を磨こう。「どんな話だった?」などと質問して振り返らせると、情報整理の練習になる。
読書日記をつけてもいい。
地図を持って目的地へ
オリエンテーリングのように、住所、方角、目印の建物などから、地図を使って目的地に行こう。必要な情報だけ読み取る取捨選択の訓練になる。
スキャン回路タイプの子へのアドバイス
整理した情報を生かして、結果を出すトレーニングをしよう。例えば、工作をするときは途中であきらめず、最後まで仕上げることを意識するといいよ。
ステップ回路を伸ばすヒントにある、数独やクロスワードパズルのような最後までやり遂げることで答えが出る遊びをするのもオススメ。
算数の問題も最後まで解けるようになるかも。
クリエイト回路タイプ
『難しい問題もアイデアで解決』
クリエイト回路タイプの子は物事をストレートに考えるだけでなく、「こうすると解けるかな」と見方を変えて、新たな可能性を考えるのが得意だ。
算数には一見難問だが、発想の転換で簡単に解けるという問題がある。
そうした問題を解くのが得意なタイプだ。
クリエイト回路タイプの得意な問題
上の問題では、つまようじの先端は1本に1つしかないので、先端をマークして数える方法や、つまようじを一本一本マルで囲みながら数える方法など、さまざまな方法を発想できる子だ。
また、最初はうまくいかなくても、他の方法はないかと考えられる。
この問題が苦手な子は、工夫をせずに数えてしまうので、数え忘れや重複が発生してしまう。
クリエイト回路タイプの強みを更に伸ばすヒント
なぞなぞ遊び
なぞなぞはたいていひねりがあるので、見方を変えて物事をとらえる訓練になる。
なぞなぞ問題を自作することもクリエイト思考の練習になりそうだ
ハプニングお助け隊
「カレーを作るのにルウを買い忘れた!」など困りごとに遭遇した際、どうやって料理を感性させるか解決策を考えよう。
ルウを手作りするか、別の料理に変えるか・・・。
発送を転換してみよう。
クリエイト回路タイプの子へのアドバイス
アイデアを考えるのは得意だけど、アイデアを出しっぱなしで、考えをやめてしまうことになりがちでは?
身近な材料での工作も、作り始めたら作品に仕上げるなど、一つの課題に対して最後までやり切る経験を積めば、算数の問題も最後まで解けるようになるよ。
リバース回路タイプ
『結果からさかのぼって考えるのが得意』
リバース回路タイプの子は、想定した結果を踏まえながら「この結果が出るには、どういう工程を踏めばいいか」と逆算して考えるのが得意だ。
「□×2=18の□は?」などという穴埋め算や、切符や車のナンバーの4桁の数字から10をつくるなどの遊びも得意だろう。
リバース回路タイプの得意な問題
上の問題では、図1を参考に
「緑になるためには、青と黄色が重なっているはず」
「オレンジになるためには、ピンクと黄色が重なっているはず」
というように、結論からさかのぼって物事を考えられるだろう。
この問題が苦手な子は、「ここのセロハンが青色だったら?」「ピンクだったら?」と当てずっぽうに考えてしまいがちだ。
リバース回路タイプの強みを更に伸ばすヒント
なぜ?なぜ?ごっこ
「なぜ横断歩道でないところを渡ってはいけないか」など、身の回りのことに「なぜだと思う?」と問いかけよう。
理由をさかのぼって考える習慣が身につく。
プラモデルを作る
完成図をもとに、「どうの部品とどの部品をつなげたらいい」と探すことで、結論を前提に考える回路が育つ。
タングラムやブロック遊びもオススメ。
リバース回路タイプの子へのアドバイス
結果ありきで物事を考えがちなので、自由にアイデアをどんどん出す経験を重ねると、さらに思考の幅が広がるよ。
算数の問題を解く際にも、いろんな見方ができると便利だね。
クリエイト回路を伸ばすヒントのように、なぞなぞで遊んだり、旅行やパーティーの計画のアイデアを考えたりしてみよう。
ノック回路タイプ
『場合分けして、考えるのが得意』
ノック回路タイプの子は、考えられる可能性を洗い出して、その中から適切に選べるのが強み。
「○○の場合は・・・、○○の場合は・・・」と一つ一つ確認し、重複や漏れがないよう、試してみたり数え上げたりするのが得意だ。
ノック回路タイプの得意な問題
下の□に入る記号はそれぞれ何ですか?
5□2□4=7
上の問題では、
「左の□に入る記号が+の場合は、右の記号は○になる・・・」、
「ーの場合は、右の記号は○になる・・・」と、
片方の記号を固定しながらしらみつぶしに試すことで答えが見つかる。
正解でない組み合わせも消さずに、確認済みであることのメモとして残しておくようなタイプだ。
この問題が苦手な子は、思いつきで記号を入れるので、同じ組み合わせを何回も試してしまう。
どの組み合わせを試したかわからなくなることも。
ノック回路タイプの強みを更に伸ばすヒント
山手線ゲームをする
条件を設定して、当てはまるものをリストアップする遊びが効果的。
「さんずいの漢字をたくさんあげよう」
「トマトを使った料理をたくさんあげよう」など。
家族で競争してゲームにしよう。
やることリストを作って実行
例えば掃除をする際、場所、方法、道具などをリストアップし、終わったらやり残しがないかをリストを基に確認する。
こうした一連の作業が、確実な洗い出しと実行の訓練になる。
ノック回路タイプの子へのアドバイス
洗い出しとともに身につけたいのは優先順位をつけること。
掃除を例にするなら、リストアップ後、どういう順番に掃除すると短い時間で終わるかまで考えるといいよ。
算数の問題を解く際も、いろいろな解き方やパターンを洗い出した後に、どれが正解にたどり着きやすかがわかるといいね。
ステップ回路タイプ
『着実に正解にたどり着く力がある』
ステップ回路タイプの子は、確かな理由をもとに「こうだからこうなる」と、一歩一歩考えを進めるのが得意だ。
計算問題は特に、「なんとなく」ではなく、正しい方法で解き進めることが大事なので、このタイプは計算ミスは少ないかもしれない。
ステップ回路タイプの得意な問題
そらくん、りなちゃん、つばさくんが、
イヌとネコのどちらが好きかを話しています。
そらくん『ぼくはイヌがすき!』
りなちゃん『わたしはそらくんとはちがうなぁ』
つばさくん『ぼくはりなちゃんと同じだよ』
つばさくんは、イヌとネコのどちらがすきでしょうか?
上の問題では、
「そらくんはイヌが好き。りなちゃんはそらくんとは違うから、猫が好き。つばさくんはりなちゃんと同じだから・・・」
と、わかっている情報から順序立てて考えられる。
この問題が苦手な子は、2番目のりなちゃんがどちらが好きなのかを考えず、答えを出そうとしてしまう。
また、この問題を解けても、さらに4人、5人と、大勢の会話が続いた場合には、解けなくなるだろう。
ステップ回路タイプの強みを更に伸ばすヒント
交換日記
今日何があったのか、そのとき何を思ったのかを文章にすることで、物事を順序立てて考えられるようになる。
親子で交換日記をするのもオススメ。
数独やクロスワードパズル
数独やクロスワードパズルは、順序を守って正確に進める力をつけられる。
レシピ通りに料理をしたり、本の通りに折り紙をしたりするのも効果的だ。
ステップ回路タイプの子へのアドバイス
確実に考えを進めていくので、考え方が慎重になりがち。
発想の幅を広げるためにも、暇な時間に「今から何をするか」を自由に考えたり、サプライズ企画の発案をしたりしてみよう。
そうすれば、算週の問題で、どう解けばいいか解き方が思いつかないときも、いろんな方法を試せるようになるよ。
その他
この「5つの思考回路」は、ソニー・グローバルエデュケーションが考案しているものです。
ソニー/グローバルエディケーションより「5つの思考回路ドリル」が提供されています。
多くの子供たちが「5つの思考回路ドリル」に取り組むことにより、未来のグローバル社会で活躍するために必要な論理力、思考力を身につけられるよう願っております。
ということで、一部のドリルはこちらになります。
興味をお持ちの方は一度、取り組まれてみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございました。
でわでわ。