お金 PR

もしもの備え、労災保険とは?いつから、いくらもらえるの?

労働災害

先日、死亡ではなく、生きているけど働けなくなった場合の備えについて、公的制度である傷病手当についての記事を書きました。

もしもの備え、傷病手当金とは?いつから、いくらもらえるの?先日、遺族年金についての記事を書きました。 https://hiro-ueno.net/survivor-pension/ ...

今回は、同じく働けなくなった場合に給付される労災保険について調べてみました

主な情報源はこちらです。

労災保険って?

病気やケガのため働けなくなったときに、本人やその家族の生活を守るためにもらえるお金です。

これは、傷病手当と同じですね。

違うのは、業務災害を対象としているところです。

仕事をしている時や通勤時に発生した病気やケガが対象だということです。

資料から図を抜粋しておきます。

労災保険は、全労働者(パートやアルバイト含む)を対象としています。

保険料の支払いは、全額事業主負担です。

なので、給料から引かれているわけではありません。

労災保険金は、誰がいつどのくらいもらえるの?

この労災保険には、以下のようないくつか給付の種類があります。

それぞれ、もらえる条件や請求書類、請求先が違ってます。

これがややこしく感じますね。

パターン別に見ていきましょう。

もらえる金額については、本来は、給付基礎日額から算出されるのですが、ここでは、わかりやすさ第一で、ざっくり給料のいくら分と記載しています。

療養補償給付

業務上の病気やケガにより病院で治療を受けた場合、治療費が全額支給されます。

通院費も支給される場合があります。

療養の給付請求先は、病院です。

休業補償給付

病気やケガで働けなくなった場合、休業4日目から給料の80%が支給されます。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

労基署による審査は、早ければ1ヶ月で終わりますが、半年、1年半と待たされるケースもあります。

労基署にアピールできる証拠を揃えてから申請する方がよいようです。

遺族補償年金

労働者が死亡した場合に、遺族に年金が支払われます

金額は、遺族の数によって異なります。

  • 遺族一人の場合は、153日分の給料(ボーナス含む)+300万円
  • 遺族ニ人の場合は、201日分の給料(ボーナス含む)+300万円
  • 遺族三人の場合は、223日分の給料(ボーナス含む)+300万円
  • 遺族四人の場合は、245日分の給料(ボーナス含む)+300万円

年金は2、4、6、8、10、12月の6回にわたって分割されて支給されますが、
遺族(補償)年金は一度に限り、まとまった額を前払いで受け取ることもできます。

 労災保険とは別に、遺族厚生年金や遺族基礎年金をもらえる場合は、 この遺族(補償)年金の額が調整され、1〜2割ほど減らされることになります。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

傷病補償年金

病気やケガで、1年半経っても治癒しなかった場合、年金が支払われます

後遺症への給付ではありません

治療によってまだ症状が目立って改善する余地が残っている場合が対象です。

金額は、障害の程度によって異なります。

  • 障害第1級の場合は、313日分の給料(ボーナス含む)
  • 障害第2級の場合は、277日分の給料(ボーナス含む)
  • 障害第3級の場合は、245日分の給料(ボーナス含む)

労災保険とは別に、同じ病気やケガについて、厚生年金や国民年金をもらえる場合は、 この傷病(補償)年金の額が調整され、少し減らされることになります。

また、「傷病補償年金」と、先述した「休業補償給付」は、同時にもらうことができません。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

障害補償給付

病気やケガで後遺症が残った場合、支給されます

後遺症の等級によって、金額や支給の形態が変わります。

  • 障害第1級の場合は、313日分の給料(ボーナス含む)+342万円
  • 障害第2級の場合は、277日分の給料(ボーナス含む)+320万円
  • 障害第3級の場合は、245日分の給料(ボーナス含む)+300万円
  • 障害第4級の場合は、213日分の給料(ボーナス含む)+264万円
  • 障害第5級の場合は、184日分の給料(ボーナス含む)+225万円
  • 障害第6級の場合は、156日分の給料(ボーナス含む)+192万円
  • 障害第7級の場合は、131日分の給料(ボーナス含む)+159万円

後遺症の等級が1〜7級の場合、年金(上記前半の給料部分)と一時金が支給されます。

年金は2、4、6、8、10、12月の6回にわたって分割されて支給されます。

労災保険とは別に、同じ後遺症について、厚生年金や国民年金をもらえる場合は、 障害(補償)年金の額が調整され、少し減らされることになります。

一方、後遺症の等級が8〜14級の場合は、下記に示す金額が一時金として支給されます。

  • 障害第8級の場合は、503日分の給料(ボーナス含む)+65万円
  • 障害第9級の場合は、391日分の給料(ボーナス含む)+50万円
  • 障害第10級の場合は、302日分の給料(ボーナス含む)+39万円
  • 障害第11級の場合は、223日分の給料(ボーナス含む)+29万円
  • 障害第12級の場合は、156日分の給料(ボーナス含む)+20万円
  • 障害第13級の場合は、101日分の給料(ボーナス含む)+14万円
  • 障害第14級の場合は、56日分の給料(ボーナス含む)+8万円

同じ病気やケガでも、先述の傷病特別年金をもらっていた場合は、 障害特別一時金からその分が減らされます。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

介護補償給付

次の条件を全て満たす方に、介護にかかった費用が支給されます。

  • 1級のケガや病気・後遺症、を患っていること。または、2級のケガや病気・後遺症、のうち精神系統の機能もしくは精神を患っていること、胸腹部臓器の機能について患っていること
  • 現に介護を受けていること
  • 病院や診療所に入院していないこと
  • 老人保健施設や特別養護老人ホームなどを利用していないこと
    (つまり民間サービスや家族による介護を受けていること)

ただし、支給額に以下のとおり上限があります。

常時介護が必要な状態であれば、毎月166,950円が上限額です。

随時介護が必要な状態であれば、毎月83,480円が上限額です。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

葬祭料

労働災害によって亡くなった場合、葬儀代が支給されます。

下記のいづれか多いほうが支給されます。

  • 労働者が生前にもらっていた平均賃金の30日分+31万5000円
  • 平均賃金の60日分

葬儀を行う前に請求できます。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

労災就学援護費 

労災で亡くなったか、または重い障害を負った場合に、子供の学費を援助してもらえる制です。

学費の支払いが困難であると認められた場合、子供一人につき、毎月12,000〜39,000円の範囲で支給されます。

請求先は、労働基準監督署(労基署)です。

Q&A

最後に、HiroPaPaが気になった点です。

正社員でなくて、ももらえるのか?

上記でも書きましたが、パートやアルバイトでももらえます。外国人でも同じです。

会社が労災保険の掛け金払ってないみたいだけど、もらえるのか?

会社が保険料を払っていなくても、労働者は保険金を国から受け取ることができます。 その場合、国は後から、過去にさかのぼって、会社から保険料を徴収します。

誰が申請するのか?

労働者が申請する必要があります。

会社が認めないと、もらえないのでは?

申請用紙に会社の署名欄がありますが、必要不可欠のものではありません。労災であるかどうかを判断するのは労基署であって会社ではありません。